いつも空にキラリ |
「いつも空にキラリ」
(C)1998
花川戸菖蒲・二見書房
|
二見書房二見シャレード文庫 |
表紙・挿画 角田緑 |
1998年5月25日 初版 |
ISBN4-576-98052-1 |
***あらすじ*** |
祖父ちゃん直伝の『オレ様喋り』が災いして、9年間友達なしだった松下。高校入学を機に性格大改造、誰からも好かれる善い子の仮面をつけ、めでたくクラスで人望も得た。しかも爽やか笑顔の人気者、嶋田から「好きだ」なんて告白され…。
ところがこの嶋田、ちょっとでもエッチな気分になるとたちまち可愛いオレ様松下をいじめて泣かせて悦に入る超変態ヤローに変貌…!?
(裏表紙より) |
***感想*** |
嶋田×松下シリーズ第1弾。
収録作品:いつも空にキラリ/大好きがあれば大丈夫/
ハートからはじめなくちゃ/春じゃなくてもいつだって
。・:*:・°'★,。・:*:♪・°'☆。・:*:・°'★,。・:*:♪・°'☆
ここ2ヶ月ほど探していた花川戸菖蒲さん入手。シリーズ物の連作集。
この方の話は、凄く私に合うみたいです。例によって小説JUNEにて2本ほど作品を読んで思ったことを、再確認しました。
この方の書かれる登場人物には、どこかまっすぐな芯が一本ピンと通っている感じがします。
まっとうである、というのとは違うんですよね。ちょっと斜めでもまっすぐ。妙な方向向いててもまっすぐ。お互いまっすぐすぎて、すれ違いが起きちゃうという(笑)読んでいてとても素直な気持ちになれます。
幾つかあったモチーフも私にとって身近でした。
表現が不自由で誤解をされたり、友達ができなかったり…って、それ、高校までさんざん私が悩んでた事だ!って(笑)
言葉というのは難しいです。こうして文章化すればいくらでも推敲できますが、それでも万人に優しい言葉というのは中々書けません。何気ない言葉が、受け取り手によってはとても傷つけられる言葉だったりしますよね。ましてや、喋り言葉なんて、そうそうこねくり回す訳にはいかない上に、取り戻しもききませんし。
何気ないヒトコトを笑われる。いたわるつもりで掛けた言葉で傷つかれる。ああ、失敗した、と思って次から更に言葉を選んで、選びすぎてもっと訳わかんなくなっちゃって、とうとう最後には何も喋らなくなってしまう、と…(苦笑)臆病なんですよね。傷つくのが怖い。
結局、そこで引いてしまったら深い付き合いなんてできるわけないんですけど。お互いの言葉をぶつけ合って、傷つき合って、言葉の奥の本当に言いたい事を理解できて、始めて人間関係って始まるんだよな…なんて、気付いたのが就職してからだったという(汗)
自分と違う意見の人がいたからって、その人か自分か、どちらかが正しくてどちらかが間違いなんていう割り切り方もよくなかった。そういう意見もあるんだなで終わらせとけばいいんですよね。
でも、未だに自分をさらすのは苦手です。相変らず言葉の選び方が下手らしく、誤解を恐れて1つの事にクドクド説明つけちゃうし。最初の頃と別人みたーい!って何遍言われたことか…(苦笑)
この本、きっと高校時代に読んでたらもっとはまってたぞ。
もう1つ、援助交際について。
人の子の親としてこんなこと言うべきじゃないんだろうけど、不特定多数の人とエッチしたい気持ちって言うのは、誰でも持ってる…って言うか、持ってて当たり前だと私は思います。
どうしても、1人の人と付き合ってるとマンネリ化してくるじゃない、気持ちも身体も。でも、実際には行動できない場合、代償行為として二次元の恋愛物にはまったりするんだよね。
体売ってお金を得るのも、自ら選んでする分には、立派な職業だと思います。ただし、ちゃんとプロとしての矜持を持ってする分にはよ?
それ以外の場合は、できるだけ止めといた方がいいんじゃないかなあ。本気の人ができた時に、絶対後悔するから。好きな人に、自分の身体を心配されると、粗末に扱ってきた過去が重たくなると思う。
真剣に恋愛してきてエッチもその時の自分には必要だったと思っていても、新しい本気を見つけた時には「ハジメテをあげられなくて残念」とかって思うくらいだし。
あー…なんかまた語ってるなぁ。
(読書日記2000/6/22より) |
10カラットの恋をしよう |
10カラットの恋をしよう
(C)1999・
花川戸菖蒲・二見書房 |
二見書房二見シャレード文庫 |
表紙・挿画 角田緑 |
1999年5月25日 初版 |
ISBN4-576-99070-5 |
***あらすじ*** |
松下市朗、ついに高校3年のスタートだ!とはいうものの、予備校に通い始めた「恋人」嶋田とはすれ違いが多くて、ちょっとヘコみ気味の毎日…。ある日、いつも目立たない級友の遠坂とばったり、その意外な素顔に接した松下は…。ご存じ!可愛いオレ様・松下とHモードで人格一変・嶋田。PUREな二人の悩める!?でも愛いっぱいの高校生活…その後。番外編の表題作ほか、待望の書き下ろしも入った、思わずギュっと抱きしめたくなるゥ連作集。
(裏表紙より) |
***感想*** |
嶋田×松下シリーズ第2弾。いい感じです。すごく前向きな恋愛。頑張ろうって気になります。
収録作品:笑顔ってほらピンクだよね/10カラットの恋をしよう/行く先は空のむこうに |
愛っていくらだ、おいしいかい |
愛っていくらだ、おいしいかい
(C)2003・
花川戸菖蒲・マガジンマガジン |
マガジンマガジンジュネノベルズ |
表紙・挿画 角田緑 |
2003年5月15日 初版 |
ISBN4-914967-63-4 |
***あらすじ*** |
クリスマス間近のクソ寒い夜、リストラされた会社の 元同僚に、トイレで土下座して借金を申し込むほど追 い詰められていた小宮萌実。たまたまその場に居合 わせた末永俊亮は、好奇心から彼に金を貸し、担保として萌実を家に置く事に決めた。
生活を共にするうちに、互いに惹かれていく末永と萌実だったが…!?
表題作の書き下ろし続編「なんにもない一日でした。」他、「スメルラクエン」収録 |
***感想*** |
小説JUNE掲載作2作と、表題作の書き下ろし続編を収録したこの本ですが、待ってた甲斐あったよ…(:_;)
表紙が…口絵が、口絵が!!
花先生的には「愛って…」のほうがよりお気に入りの模様ですが(書き下ろし「愛って…」ですしね)、私的には「スメル」にがっつんときました。
同い年ながら先輩で、仕事「は」デキル男の朝元聡明と片山佑は寮の隣同士の部屋に住む事になった。
元々仲は良いのだけれど、職場では親しくないふりを通す聡明。それを不思議に思った事はなかったが、
ひとつ屋根の下に暮らす事で聡明の「語らない部分」に気付いた佑は…?と言うような話。
もちろん萌実ちゃんにも、そして殆ど全ての花川戸作品に共通する戦う受けここに極まれりと言った感じの主人公・佑の潔さ、真っ直ぐさにめろめろんです(笑)
そして私にしては珍しく、攻めの聡明もお気に入りです。下品で依怙地だからかしら(笑)<でも筋は通ってて、かっこいいんだよ!
花先生の作品は、ホントに身近なテーマに(今回なら職場でのトラブル、学歴コンプレックス、フツーでいたい願望など)、妙に生活感溢れる主人公たちの言動を上手く併せた上、
微妙にオカシな+αで絶妙な花川戸ワールドを創っていますが、他のシリーズと違い1冊で読める分、この本は入門書としてもおすすめかな。
初期作品ですが、若書きのジャキジャキした文体もいとをかし、ですね。
神棚や仏壇、墓参りの正しい作法(って言うのか?)知らなかったよ…末永よりさらにヘタレだな、オレ…
雑誌感想
。・:*:・°'★,。・:*:♪・°'☆。・:*:・°'★,。・:*:♪・°'☆
スメルラクエン
マガジンマガジン社「小説JUNE」1999年8月号No.110
σ(^^) はこれで、花川戸さんにはまりました(笑)タイトルは多分、「SMELL」と「住める」をかけてるんだろうなぁ。ウチの職場、他の支店で逆学歴差別があったらしいです。
愛っていくらだ、おいしいかい
マガジンマガジン社「小説JUNE」2000年4月号No.118
身体は繋いでも心はすれ違い…というお約束のお話。当たり前の幸せと、それを打ち壊してしまいたくなる衝動は、誰にでも身に憶えのあるものなのでは…。
|
新宿×深夜ファクト |
|
イーストプレスアズ・ノベルズ |
表紙・挿画 角田緑 |
2003年10月20日 初版 |
ISBN4-87257-392-7 |
***あらすじ*** |
|
***感想*** |
|